2025 年 6 月 17 日にリリースされた Purity//FB 4.6.0 で、Zero Move Tiering(ZMT、データ移動を伴わないティアリング)の機能に大きなアップデートがありました。
- 従来のファイル・システム単位のホット/コールド設定に加えて、より細かい粒度でファイル単位のホット/コールド設定が可能になった。
- EX シャーシが、業界で最も高密度な 150 TB DFM に対応し、より高密度な Zero Move Tiering 構成が可能になった。
それぞれのアップデートについて解説します。
ホットデータ、コールドデータの定義(設定方法)
Zero Move Tiering でのホットデータとコールドデータの定義は、ユーザーが設定します。今回のアップデートでは、次の 2 種類の定義が可能になりました。
- ファイル・システム/バケット* 単位でホットデータ、コールドデータを設定
(詳しくは、前回のブログ「Zero Move Tiering:データの移動を伴わないティアリング」をご覧ください。) - New!ファイル/オブジェクト* 単位でホットデータ、コールドデータを設定
* リリース時(4.6.0)はファイルのみ。バケット/オブジェクトは、今後のリリースで対応予定です。

ポリシーの設定
ファイル・システム内のファイル、バケット内のオブジェクトにポリシーを設定します。
下図は、ティアリングの動き(ホットからコールド/コールドからホット)を定義する GUI でのポリシー設定の例です。

このポリシーが適用されたファイル・システムに対して新しく作成されたファイルは、ホットな状態(デフォルトがホット)です。
ホットからコールドへ移行する条件の定義
その後、ホットからコールドに推移するタイミングを決定するのが「Archival Rules」と「Archival Time」の値です。「Archival Rules」の設定には、次の 2 種類があります。
- Latest_Access:ファイルに対してアクセス = 読み込みと書き込みの両方が対象
- Latest_Modification:ファイルに対する変更 = 書き込みのみ
この例では、「Latest_Access」を選択して「Archival Time = 30 days」と設定しており、30 日間アクセス(読み込み/書き込み)がない状態が続くとコールドになります。
コールドからホットへ移行する条件の定義
次に、コールドになったファイルが再びホットになる条件を定義するのが「Retrieval Rules」です。こちらも 2 種類の設定があります。
- On_Read:コールドファイルに読み込みまたは書き込みが発生すると、再びホットになる。
- Only_On_Write:コールドファイルに書き込みが発生すると、再びホットになる。
Zero Move Tiering のサポート構成(150 TB DFM を使用した構成)
今回のアップデートでは、EX シャーシが 150 TB DFM に対応したため、従来の 75 TB DFM 構成に加えて次の 7 つの Zero Move Tiering 構成が新たに追加されました。
| シャーシ比率 //S500 : EX | ラック U 数* | 物理容量 (ホット) | 物理容量 (コールド) | 物理容量 (合計) |
|---|---|---|---|---|
| 1:1 | 10U + 2U | 375 TB | 6,000 TB | 6,375 TB |
| 1:1 | 10U + 2U | 750 TB | 6,000 TB | 6,750 TB |
| 1:1 | 10U + 2U | 1,125 TB | 6,000 TB | 7,125 TB |
| 1:1 | 10U + 2U | 1,500 TB | 6,000 TB | 7,500 TB |
| 1:2 | 15U + 2U | 1,500 TB | 12,000 TB | 13,500 TB |
| 2:3 | 25U + 2U | 3,000 TB | 18,000 TB | 21,000 TB |
| 2:4 | 30U + 2U | 3,000 TB | 24,000 TB | 27,000 TB |
* 2U 分は、シャーシ間を接続する 1U スイッチ(XFM:Extended Fabric Module)x 2 台
まとめ
Zero Move Tiering は、データの移動を伴わないスマートなティアリング機能です。今回のアップデートで、ファイル単位での Zero Move Tiering が可能になり、シングル・ネームスペースで運用されている環境でも活用できるようになりました。さらに、業界最高密度の Flash モジュール 150 TB DFM に対応したことで、Zero Move Tiering は高い性能と優れた GB 単価の両立を可能にし、TCO(総保有コスト)においても圧倒的な優位性を提供します。
Zero Move Tiering の GUI/CLI 設定や運用方法については、今後のブログでご紹介する予定です。
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