無償で始める Portworx:PX-CSI で FlashArray/FlashBlade を Kubernetes に接続

【2026.10.01 JST】Portworx CSI は、FlashArray、FlashBlade を Kubernetes に接続するための無償の CSI ドライバです。ご利用の Everpure ストレージを接続し、コンテナ環境のストレージ運用を始めてみませんか?

無償で始める Portworx:PX-CSI で FlashArray/FlashBlade を Kubernetes に接続

Kubernetes 上でデータベースなどのステートフルなアプリケーションを運用する場合に、最初に解決すべき課題が「永続ボリューム(PersistentVolume、以下 PV)をどう用意するか」です。既に FlashArray または FlashBlade を利用されている環境では、その第一歩は無償で始められます。これを可能にするのが、今回ご紹介する Portworx CSI です。

Portworx CSI(以下 PX-CSI)は、FlashArray、FlashBlade、Everpure Cloud Dedicated(旧 Cloud Block Store)を Kubernetes に接続するための CSI(Container Storage Interface)ドライバです。FlashArray/FlashBlade 向けには、追加費用なしでご利用いただけます。(Everpure Cloud Dedicated での利用条件については、ご契約内容をご確認ください。)「まずは既存の Everpure ストレージをコンテナ基盤につないでみたい」場合の最初の一歩として、PX-CSI は最適な選択肢となります。本記事では、PX-CSI の概要と、Portworx Enterprise へのステップアップについて解説します。

PX-CSI とは?Portworx ラインナップにおける位置付け

本記事では、Portworx 製品のうち、主に PX-CSI、Portworx Enterprise、Portworx Backup(以下 PX-Backup)の 3 つを取り上げます。

  • PX-CSI:FlashArray、FlashBlade を Kubernetes に接続するための無償の CSI ドライバ
  • Portworx Enterprise:ソフトウェア定義のストレージ(SDS:Software Defined Storage)、マイグレーション、セキュリティ、自動拡張、DR(アドオン)などの全機能を提供する中核的プロダクト
  • PX-Backup:アプリケーションと PV をまとめてバックアップ/リストアするソリューション(別ライセンス)
Portworx ラインナップ

PX-CSI は、Kubernetes 標準の CSI 仕様に準拠したドライバとして動作し、StorageClass や PVC(PersistentVolumeClaim)、VolumeSnapshot といった Kubernetes ネイティブのリソースを通じてストレージを操作します。構成するコンポーネントは、コントローラ・プラグインや各ワーカー・ノードで動作するノード・プラグインを含め、全て Kubernetes 上の Pod として動作します。ボリュームのメタデータも Kubernetes のカスタム・リソースとして管理されるため、外部のデータベースなどを別途用意する必要はありません。

Portworx 製品のラインナップやライセンスについては、こちらのブログをご覧ください。

コンテナ時代のデータ基盤を支える Portworx 入門

コンテナ時代のデータ基盤を支える Portworx 入門

2026.05.08 投稿者:戸田 貴夫

Portworx は、Kubernetes 向けのデータ基盤です。コンテナや KubeVirt などのモダンな仮想化向けに、ストレージ、データ保護、DR、バックアップを統合的に提供し、コンテナ時代に最適なデータ管理を実現します。

PX-CSI でできること

FlashArray、FlashBlade への直接接続

PX-CSI を導入すると、StorageClass を指定して PVC を作成するだけで、FlashArray/FlashBlade 上にボリュームが動的にプロビジョニングされ、Pod にマウントされます。既存のボリュームを Kubernetes に取り込む静的プロビジョニングにも対応しています。

  • FlashArray からはブロック・ボリュームまたはファイル(NFS)、FlashBlade からはファイル(NFS)ボリュームを切り出して Pod に直接接続できる。
  • FlashArray との接続は、ファイバー・チャネル(FC)や iSCSI に加えて NVMe-oF(RoCE / TCP / FC)にも対応しており、高性能が求められるアプリケーションにも適用できる。
  • シン・プロビジョニング、重複排除、圧縮を含む FlashArray/FlashBlade 本来のデータ削減機能をそのまま活用できるため、コンテナ環境でも高いデータ削減率を実現する。(利用できる機能やデータ削減効果は、製品によって異なります。)
PX-CSI:FlashArray、FlashBlade との連携

※ 上図左側の「FlashArray + PX Enterprise による SDS 構成」は、有償の Portworx Enterprise による構成です。無償の PX-CSI に該当するのは、中央または右側の「FlashArray/FlashBlade Direct Connect(CSI ドライバ)」での直接接続による構成です。

ストレージ側の運用は普段の FlashArray/FlashBlade と変わらないため、既存のストレージ運用チームにとっても導入のハードルが低い点がメリットとなります。

スナップショット、クローン、容量拡張

PVC 作成後の日常運用も、PX-CSI では Kubernetes 標準のリソース操作だけで対応可能であり、無償の範囲でカバーできます。スナップショット、クローン、容量拡張のいずれも kubectl と YAML マニフェストで完結し、ストレージ側の処理は FlashArray/FlashBlade の機能をそのまま利用するため、高速であると同時に容量効率にも優れています。

  • スナップショット:VolumeSnapshotClass、VolumeSnapshot リソースで取得・復元
  • クローン:既存の PVC を dataSource に指定するだけで複製を作成(FlashArray のブロック・ボリュームが対象)
  • 容量拡張: PVC で使用するボリュームとファイル・システムを拡張

無償ライセンスでも大規模環境に対応

「無償ライセンス」と聞くと小規模な検証用を想像されるかもしれません。しかし、PX-CSI は、本番環境でも十分に通用する規模のスペックに対応します。

  • クラスタあたり最大 1,000 ノードに対応
  • クラスタあたり最大 100,000 個のボリュームを作成可能
  • 単一ボリュームの最大サイズは 40 TiB、ノードあたりの最大ディスク容量は 256 TiB
  • 複数の Pod からアクセス可能な共有ボリューム(RWX:ReadWriteMany)に対応

PX-CSI の無償ライセンスは、動的プロビジョニング、容量拡張、スナップショット、RWX など、コンテナ向けストレージとして日常的に必要となる機能をひととおり提供しています。

FlashArray ActiveCluster による高可用性

PX-CSI 26.1 以降では、FlashArray の ActiveCluster にも対応しています。無償で利用できる PX-CSI の範囲で、以下の高可用性構成を実現可能です。

  • 2 台の FlashArray 間におけるボリュームの同期レプリケーション
  • RPO(Recovery Point Objective:目標復旧時点)ゼロと自動フェイルオーバー

これらは、ストレージ・アレイの機能を最大限に活かせる PX-CSI ならではの特長です。

KubeVirt、OpenShift Virtualization の仮想マシンにも対応

PX-CSI は、コンテナだけでなく、KubeVirt や Red Hat OpenShift Virtualization で構成された仮想マシン(VM)のワークロードにも対応しています。

  • VM のディスクとなるボリュームのプロビジョニング
  • vTPM や共有ボリュームのサポート
  • VM を停止せずに別ノードへ移行するライブ・マイグレーション

VMware からの移行などでコンテナと VM が混在するモダンな基盤を検討されている場合にも、PX-CSI が共通のストレージ・レイヤーの入り口となります。

PX-CSI の始め方

PX-CSI の導入は、Portworx Central のサイトでウィザードに沿って環境情報を入力し、生成されたインストール用の仕様(spec)を Kubernetes クラスタに適用するだけで完了します。FlashArray または FlashBlade で利用する場合には、ライセンスのアクティベーションは不要です。

インストールの手順や StorageClass の設定リファレンス、対応環境の詳細は、PX-CSI の公式ドキュメントをご覧ください。エアギャップ(インターネット非接続)環境向けのインストール手順も用意されています。

Portworx Enterprise へのステップアップ

PX-CSI は、「FlashArray/FlashBlade を Kubernetes に接続する」役割に特化して構築されており、Portworx の本来の機能であるデータサービスの多くは、有償の Portworx Enterprise で提供されています。エディション間の主な機能の違いを以下に示します。

機能

説明

PX-CSI

Portworx Enterprise

Portworx for Modern Virtualization

最大ノード数

クラスタ内ノードの最大数

1,000

1,000

1,000

クラスタあたりのボリュームの最大数

単一クラスタ上のボリュームの最大数

100,000(Direct Access ボリューム)

100,000

100,000

コンテナ・ワークロード向けストレージ

コンテナのボリュームのプロビジョニング

◯

◯

✕

VM ワークロード向けストレージ

VM のボリュームのプロビジョニング

◯

◯

◯

VM ワークロードのライブ・マイグレーション

VM を別ノードに中断なく移行

◯

◯

◯

最大ボリューム容量(TiB)

単一ボリュームの最大容量

40 TiB

40 TiB

40 TiB

最大ノード・ディスク容量(TiB)

単一ノードの最大ストレージ容量

256 TiB

256 TiB

256 TiB

SDS 機能

SDS としてのストレージ管理

✕

◯

◯

共有ボリューム(RWX)

ボリュームを他のノードと共有できるか否か

◯

◯

◯

BYOK データ暗号化

データ暗号化の対象

✕

ボリューム/クラスタごと

ボリューム/クラスタごと

オブジェクト・ストアへのスナップショット (CloudSnap)

クラウド・スナップショットを使用できるか否か(例:Amazon S3 へのボリューム・スナップショット)

✕

◯

◯

クラスタレベルの移行

データ移行が可能か否か

✕

◯

◯

災害復旧(PX-DR)

同期/非同期 DR 機能(追加ライセンスが必要)

✕

アドオン・ライセンスが必要

◯

容量管理の自動化

自動拡張が可能か否か

✕

◯

◯

PX セキュリティ

Kubernetes と Portworx 間のセキュアな通信

✕

◯

◯

VM ホスト

ソフトウェアを VM(Amazon EC2、OpenStack Nova を含む)に導入

◯

◯

✕

カテゴリ

FlashArray Cloud Drive
(FA + PX-Store)

FlashArray
Direct Access(CSI)

FlashBlade
Direct Access(CSI)

CloudSnap のサポート

◯

✕

✕

PX-Backup のサポート

◯

◯

◯

PX-Migrate のサポート
(マイグレーション機能)

◯

✕

✕

PX-DR のサポート
(DR 機能)

◯

✕

✕

Portworx Enterprise へのステップアップにより、例えば次のことが可能になります。

  • SDS:複数のノードや複数のストレージを 1 つのストレージ・プールに集約し、レプリカの配置やノード障害時の自動フェイルオーバーを含めて一元管理
  • スナップショットの高度な運用: Kubernetes 側で一元管理されたスケジュールによる定期取得、取得前後のルール設定によるアプリケーション整合性の確保、クラウド・スナップショット(CloudSnap)のオブジェクト・ストレージへの退避
  • データとコンテナのマイグレーション:ストレージ内のデータだけでなく、Deployment や Secret などの Kubernetes リソースも含めて、ネームスペース単位でクラスタ間の移行
  • DR(同期/非同期レプリケーション):アドオン・ライセンスの PX-DR により、データセンター間でアプリケーションごと保護
  • ストレージの自動拡張(Autopilot):利用状況に応じてボリュームやプールを自動でリサイズ
  • セキュリティ機能:RBAC による認証・認可、ボリューム単位の BYOK 暗号化、ネームスペースを活用したマルチテナント

また、Kubernetes アプリケーション全体のバックアップ/リストアが必要になった場合には、別ライセンスの PX-Backup が用意されています。これらの機能の詳細は、これまでのブログ(DR 機能編、バックアップ機能編、セキュリティ機能編)でご紹介しています。あわせてご覧ください。

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「まずは PX-CSI で FlashArray/FlashBlade をコンテナ基盤に接続し、 Kubernetes 側で一元管理されたスナップショットのスケジュール運用や DR、自動拡張などの要件が出てきたタイミングで Portworx Enterprise の導入を検討する」という段階的な進め方ができるのも、Portworx の強みです。同じ Portworx ファミリーの製品であるため、PX-CSI の運用で培った StorageClass や PVC 関連の知見を活かしながら Enterprise を導入できます。

※ PX-CSI 環境からの移行方式については、最新の状況を担当の営業、SE またはお付き合いのある販売パートナーにお問い合わせください。

Portworx Enterprise の全機能をお試しいただける期限付きの無償/トライアル・ライセンスもご用意しています。

Portworx - 無償/トライアル・ライセンス

まとめ

PX-CSI の主な特長とメリットは次のとおりです。

  • FlashArray、FlashBlade を Kubernetes に接続する CSI ドライバを、追加費用なしで利用できる。
     ※ Everpure Cloud Dedicated にも対応しています。利用条件については、ご契約内容をご確認ください。
  • 最大 1,000 ノード、100,000 ボリュームと、無償でありながら本番環境にも対応できるスペックを提供する。
  • FlashArray のブロック・ボリュームは、FC、iSCSI、NVMe-oF による接続が可能。FA-File および FlashBlade は、NFS を利用できる。
  • VolumeSnapshot によるスナップショットの取得と復元、PVC のクローン(FlashArray ブロック・ボリューム)、PVC の容量拡張に対応する。
  • FlashArray の ActiveCluster による RPO ゼロの高可用性構成に対応する。
  • KubeVirt、OpenShift Virtualization の VM ワークロードに対応する。
  • スケジュール・スナップショット、マイグレーション、DR、自動拡張などの要件に応じて、Portworx Enterprise にステップアップできる。

既に FlashArray、FlashBlade を利用されているお客さまにおいて、PX-CSI はコンテナ環境のストレージを始めるうえで最も手軽な選択肢となります。まずは無償ライセンスを利用して、Everpure のストレージを Kubernetes に接続するところから Portworx の世界を体験してみませんか?


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